湿疹
湿疹と皮膚炎は同じように扱われていますが、原因が分からないことも多く、原因が分からないものを湿疹、原因が推測できるものを、○○皮膚炎と一般的に呼んでいます。例)接触皮膚炎、ナイロンタオル皮膚炎など
湿疹は体内に入ってきた異物に対して、かゆみや炎症を引き起こす物質が活発に反応する皮膚の防御反応です。その期間や症状によって急性湿疹と慢性湿疹に分けられます。
急性湿疹は、症状が出て約1週間以内のもので、皮膚の赤み、ブツブツ、水ぶくれ、膿疱、びらん、かさぶた、かゆみなどの経過をとって治癒することが多いのですが、長引くと悪化して慢性湿疹となります。
慢性湿疹は、湿疹になって1週間以上経過したもので、皮膚が厚くなり、硬くなって乾燥しゴワゴワしてきます。かゆみが続いて掻き続けると、症状が軽快するのに時間もかかり、かゆみや炎症が治った後も黒ずみなどの色素沈着も出ます。
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当院の治療法
当院では、症状に応じたランクのステロイドの外用薬と抗ヒスタミン剤の内服薬、炎症がとても強い場合はステロイドの内服薬も処方します。
必要があれば、アレルギー検査などの採血検査も行います。
早めに治療することにより、治癒までの時間を短くすることが可能となります。
手湿疹・手荒れ
手湿疹・手荒れは、石鹸や洗剤を使う水仕事、頻回の手洗いなどで手の皮脂がうばわれ、かつ繰り返し指先に刺激が加わることで、水疱、赤み、皮向け、亀裂などの症状が起こる病気です。
水仕事の多い主婦、美容師、看護師、飲食店員の方などによくみられます。
原因は、このような外的な刺激によるものが約7割で、他に化学物質によるアレルギー性のものや、食物のタンパク質によるものと、アトピー性皮膚炎の一つの症状によるものがあります。
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当院の治療法
当院では、ステロイドの外用薬の他に保湿剤、抗生剤の外用薬、抗ヒスタミン剤の内服薬を処方しています。
接触性皮膚炎(かぶれ)
接触皮膚炎(かぶれ)は、原因物質との接触後に起こり、痒み、赤み、腫れ、水疱などの皮膚炎を起こします。
アレルギー性接触皮膚炎が大半を占めます。他に光線過敏によるものと刺激性のものがあります。
原因として、植物(うるし、マンゴー、ハゼの木、サクラソウ、アロエなど)、金属(ニッケル、クロム、コバルト、金など)、化粧品、染毛剤、外用薬や湿布薬や消毒薬、など様々なものがあります。
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当院の治療法
当院では、強いステロイドの外用薬(一時的に使用)、抗ヒスタミン薬やステロイド薬の内服薬などを処方します。
原因物質が推測できれば、再接触を避けるように指導します(パッチテストは行っていませんので、ご了承ください)。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、慢性的にかゆみを伴う湿疹が軽快や悪化を繰り返す病気で、多くはアトピー素因を持っています。
アトピー素因とは、家族歴や既往歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎のうち、いずれかまたはいくつか)、またはIgE抗体(比較的短時間で起こる即時型アレルギー反応を起こすもの)を産生しやすい素因のことです。
アトピーの湿疹は左右対称に分布し、下記の部位に出やすい特徴があります。
① 額、目の周り、口の周り、口唇
② 耳介周囲
③ 頸部
④ 四肢の関節部
⑤ 体幹
湿疹の分布にも年齢的な特徴があります。乳児期には、頭、顔から皮疹が出現し、体幹や四肢に拡大します。幼少期には首、肘、膝に出現します。思春期や成人期には、顔を含めた上半身に皮疹が強くなる傾向があります。
原因として、皮膚のバリア機能が低下しているために、抗原(アレルゲン)が皮膚に侵入しやすくなっているので、免疫反応を起こしてかゆみが起こります。
また、かゆみを伝達する神経線維が表皮や角層まで伸びてかゆみに過敏になり、激しいかゆみと掻爬を繰り返すので、バリア機能の低下と炎症の悪循環を起こして慢性化します。
その他、食物アレルゲンや、季節、紫外線、ストレス、仕事などの環境の影響も受けやすいです。アレルギーの採血検査(総IgE値、好酸球数、LDH値、TARC値やアレルゲン検査など)により、治療の効果やアトピーの病勢がわかります。
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当院の治療法①
当院では、皮膚の重症度に合ったランクのステロイド外用薬を使用し、副作用に注意しながら、必要最小限の使用を指導しています。
副作用の少ない免疫抑制剤の外用薬として、タクロリムス軟骨、コレクチム軟骨、モイゼルト軟骨、処方しています。
ワセリンや、ヒルドイドソフト軟膏やローションなどの保湿剤も季節や肌の乾燥状態に応じて処方しています。
よく間違えやすい外用薬の使い方として、肌の軽度の乾燥にはヒルドイドソフト軟膏などの保湿剤はスキンケアとして、とても良いのですが、乾燥性の湿疹に使用すると逆に悪化させてしまうので、注意が必要です。
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当院の治療法②
かゆみの程度や生じる時間帯に応じて、抗ヒスタミン剤の内服薬を何種類か処方しています。
顔の赤みや上半身のほてりを鎮めるタイプや、かゆみが強すぎるタイプ、慢性化して長引いているタイプなどの様々な症状に応じて、漢方の内服薬も処方しています。
プラセンタ注射も効果的なので、週に1〜2回での継続をおすすめしています。
免疫抑制剤の内服や生物学的製剤による治療は行っておりませんので、ご了承ください。
蕁麻疹(じんましん)
蕁麻疹(じんましん)は、皮膚に赤く膨らんだ、痒みを伴うぶつぶつとした発疹が突然、出現し24時間以内に跡形もなく消えては、また繰り返し、全身のどの部位にも起こりえます。
感染や疲労、ストレス、感冒、内臓疾患、内服薬など原因は様々ですが、誘因がはっきりしない特発性のじんましんが約7割あります。
特定の刺激(即時型アレルギー、寒冷刺激、温熱刺激、発汗刺激、日光暴露、皮膚の機械的擦過など)が原因で起こる刺激誘発型のじんましんもあります。
発症から1か月以内に改善する場合は急性じんましん、1か月以上続く場合は慢性じんましんと呼びます。
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当院の治療法
当院では、採血検査で即時型アレルギー物質を調べたり、抗アレルギー剤やステロイド、漢方薬の内服や、プラセンタ注射などを行っています。
ご希望される方には、量子波動測定器(メタトロン)で全身の不調の検査(自費)も行えます。
尋常性ざ瘡(ニキビ)
尋常性ざ瘡(ニキビ)は、皮脂が多く分泌される、脂腺性毛包という毛穴に慢性の炎症を起こす皮膚の病気です。
主に思春期に発症し、顔、胸、背中などにみられ、適切な治療をしないと強い赤みやデコボコした瘢痕になってしまうことがあります。
原因は、思春期に男性ホルモンの分泌が亢進することにより皮脂の分泌が増加し、毛穴がつまり(角栓の形成)、毛穴の中にいる常在菌であるアクネ菌が増殖し毛穴に炎症を起こすために起こります。
炎症の程度より、白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ、化膿した黄色いニキビになります。
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当院の治療法(保険)
当院では、ニキビの症状の程度、生活習慣(睡眠時間、食生活、便秘、ホルモンバランス、ストレス、紫外線など)を確認し、抗生剤や過酸化ベンゾイルなどの外用薬、内服薬で抗生剤、漢方薬など適切な処方、面包圧出による除去、生活指導を行います。
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当院の治療法(自費)
洗顔石鹸(スキンピールバー)、ダーマペン4、ピコフラクショナルレーザーなどの自費治療も行えます。
帯状疱疹
帯状疱疹は、体の中に潜んでいた、水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こります。
初めて感染した時は水ぼうそうとして発症し、治った後は脊髄の近く神経節に潜伏感染していますが、加齢やストレス、過労などにより免疫力が低下すると、ウイルスが再び活性化して神経を伝わって帯状疱疹として発症します。
特長として、ピリピリした刺すような痛みと、赤い斑点と小さな水ぶくれが身体の左右どちらか一方に神経に沿って帯状に現れます。全体の半数以上が胸や背中、お腹に発症します。
高齢者では帯状疱疹後の神経痛を後遺症として残すことがあるので、早めの受診をおすすめします。
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当院の治療法
当院では帯状疱疹を迅速に検出できる検査キットを使って診断し、基礎疾患や体調、痛みの程度に応じて、抗ウイルス薬の内服薬と外用薬、消炎鎮痛剤、神経痛予防薬などで治療しています。
また帯状疱疹後神経痛の症状が強く、長引く方にはプラセンタのトリガーポイント注射(自費)もおすすめします。
尋常性疣贅(イボ)
尋常性疣贅(イボ)は、ヒト乳頭腫ウイルスが皮膚に感染することが原因で起こる病気です。
わずかな皮膚の傷から入り込み、皮膚の一番下の表皮基底細胞に感染するので、簡単には治らず再発することも多いです。
臨床型から、尋常性疣贅(主に手足にできる角化したイボ)、ミルメシア(子供の足底や手掌にできるイボ)、扁平疣贅(顔、手背、前腕にできる扁平なイボ)、尖形コンジローマ(外陰部にできるイボで、性感染症)などの種類があります。
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当院の治療法
当院では、液体窒素による凍結療法(凍結の前に治療効果を上げるための削り処置もしています)、ヨクイニンエキス錠の内服、尖形コンジローマに対してはイミキモド5%クリームの外用、炭酸ガスレーザーによる焼灼除去(自費)などを行っています。
水いぼ
水いぼは、主に幼児から学童にかけて皮膚に多発する、ぷつぷつとした皮膚色の丘疹です。
感染した人の皮膚から直接接触して感染しますが、プールや入浴の際にビート板やタオルなどを介して感染することもあります。
原因として、伝染性軟属腫ウイルスが表皮の角化細胞に感染することで起こります。皮膚のバリア機能の未熟な乳幼児や、アトピー性皮膚炎の子供では感染しやすく、多発する傾向があります。
丘疹の中からウイルスと変性した表皮組織からなる白い粥状の塊(モルスクム小体)が出てくるので、水いぼの診断がつきます。
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当院の治療法
治療せずに放置しても、発症後6か月〜3年くらいで脱落して自然に治ります。しかし、集団生活やプールなどの場で、他の子供への感染源となります。
またアトピー性皮膚炎の子供が感染すると、引っ掻いて全身に広がり、ステロイドが外用できず、アトピーも更に悪化し、とびひなどの細菌感染も合併することがあります。
そのようなデメリットを考えると、当院では診断がつき次第、早めに取り除くことをおすすめします。
小さいお子さんの痛みができるだけ少ないように、処置の前にペンレステープ(麻酔薬のテープ)を丘疹に約1時間貼ってから、一つずつピンセットでつまみ取っていきます。
4〜5才以上で怖がって暴れてしまうお子さんの場合は、スムーズに処置するためにお父さんと一緒に来院していただけると助かります。
白癬(水虫)
白癬とは、俗にいう水虫のことで、白癬菌が皮膚の角層や毛や爪に寄生してケラチンを栄養源にして増殖する感染症です。
患部の皮向け、赤み、じくつき、ゴワゴワした角質肥厚、かゆみなどの症状がありますが、かゆみなどの自覚症状がない場合もあります。
原因として、高温多湿(特に夏季)の環境でジメジメした状態のまま長時間、感染源と接触していると感染しやすくなります。
感染源としては、患者が使った浴室の足拭きマット、長時間履いている通気性の悪い靴、感染した家畜からのもの、レスリングや柔道による患者からの接触などがあります。また糖尿病やリウマチなど免疫力が低下している場合もなりやすいです。
見た目だけでは診断することはできないので、必ず患部の皮膚や爪を採取して顕微鏡による正確な診断を行います。
部位によって、頭部白癬、顔面白癬、体部白癬、股部白癬、足白癬、手白癬、爪白癬に分類され、それぞれにより治療方針に若干の違いがあります。
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当院の治療法
当院では、まず抗真菌剤の外用薬を処方しますが、市販薬でかぶれを起こしていたり、掻いた傷から炎症を起こしている場合もあるので必要に応じてステロイドの外用薬や抗生剤、抗ヒスタミン剤も併用します。
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当院の治療法(爪白癬の場合)
爪白癬の場合は、外用薬だけでは1年以上もかかることが多いので、内服薬も処方します。
角質が分厚くなった爪や変形して自分では爪切りが困難な方は、治療の効果を上げ、生活のQOL向上のために、ご希望に応じて爪切りの処置(保険)も行っています。
数本以上の爪切りの場合は自費となり、ご予約が必要となりますのでご了承ください。
脂漏性皮膚炎(フケ)
脂漏性皮膚炎(フケ)は、顔、頭、胸、背中、腋窩、鼠径部などの皮脂の多い部分にかさかさしたフケをつけた赤い湿疹ができる、慢性の皮膚の病気です。
新生児から乳幼児期に生じる乳児型と、思春期以降にみられる成人型があり、成人型は40〜50歳代以降の男性に多くみられます。
原因として、皮膚に常在する好脂菌であるマラセチア菌による炎症の関与や、皮脂の分泌やその成分の異常、ビタミンB群の不足や、環境の影響(気温や湿度の低下する秋〜冬の季節、夏季の強い紫外線)や、ストレスや肥満、糖尿病などの関与もあります。
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当院の治療法
当院では、炎症が強い場合はステロイドの外用薬、炎症が弱い場合は抗真菌外用薬を処方します。
かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬の内服を処方します。ステロイドを含有したシャンプー(保険適応)もおすすめします。
乾癬
乾癬は、皮膚が赤く炎症を起こして盛り上がり、境界は明瞭で、表面に銀白色の厚いフケのようなものが付着した、慢性の炎症性角化性の皮膚の病気です。
全身のどこにでもできますが、特に頭、四肢の伸側、腰やお尻などの擦れやすい部位にできやすく、爪にも症状がでます。
原因として、遺伝的な体質に、日常生活の要因(ストレスや脂っこい食事やタバコなど)や病気などの要因(肥満、糖尿病、高脂血症など)がきっかけとなって起こると考えられています。
病型として、尋常性乾癬(大半を占める通常のタイプ)、滴状乾癬(風邪の後に小さな赤い発疹が多発する)、乾癬性関節炎(皮膚の症状に強い関節痛や関節の変形を合併する)、乾癬性紅皮症(乾癬が悪化し全身に拡大する)、膿疱性乾癬(膿をもった発疹になり高熱や倦怠感などの全身の症状を合併し、重症で難病に指定されている)などがあります。
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当院の治療法
当院では、ステロイドの外用薬とビタミンD3外用薬、2つの配合剤の外用薬、オテズラ内服、漢方薬、プラセンタ注射を行っています(光線療法や生物学的製剤は扱っておりません)。
皮膚腫瘍・皮下腫瘍
皮膚腫瘍と皮下腫瘍には、皮膚の表面にできるものから、皮膚の内側にできるものまで、さまざまなものがあります。
ホクロ、老人性イボ、粉瘤、脂肪腫、ケロイド、などの良性のものから、メラノーマ、皮膚の有棘細胞癌、基底細胞癌、などの悪性のものまでいくつかあります。
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当院の治療法
当院では、良性のものは、局所麻酔を行い、切除縫縮手術(保険適応)を行います。必要があれば切除したものを組織検査に出して確認します。
大きさや部位によっては、炭酸ガスレーザーによる切除(自費)もおすすめしています。
悪性が疑われるものは、一部分を切除して組織検査に出して確認したり、(または初めから)県立病院などへ紹介します。
多汗症(ワキ汗、手汗)
多汗症には、原発性と続発性(甲状腺機能亢進症、脳梗塞、結核などの基礎疾患によるもの)の2種類があります。多汗症は部位により、掌蹠多汗症、腋窩多汗症、頭部・顔面多汗症に分けられます。
原発性の多汗症は、汗の量が多くなる原因となる明らかな病気や障害がないにもかかわらず、6か月以上続いていることに加えて、以下の6項目のうち2項目以上あてはまる場合となります。
① 最初に症状が出るのが25歳以下である
② 左右両方で同じように発汗がみられる
③ 睡眠中は発汗が止まっている
④ 1週間に1回以上多汗の症状がある
⑤ 家族にも同じ疾患の患者がいる
⑥ 多汗によって日常生活に支障をきたしている
自覚症状をもとに重症度は下記で評価し分類されます(③〜④が重症とされています)。
① 発汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない
② 発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある
③ 発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある
④発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある
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当院の治療法
当院では、外用薬(汗を出す指令をブロックする働きのあるもの)、注射薬(汗を出す指令を伝える神経に作用するボトックス注射)、内服薬(プロバンサイン、漢方薬など)を行っています。
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当院の治療法(ワキ汗の場合)
ワキボトックス注射は、原発性腋窩多汗症と診断されると保険適応となります(自己負担額は3割負担で約2~3万円です)。
1回の注射で4〜6か月効果が持続します。当院では安全性の高い米国アラガン社製を使っています。
巻き爪・陥入爪
巻き爪は、爪全体がロール状になり、片側または両側が内側に巻き込んでいる状態です。特に炎症がなく、日常生活に支障をきたしていなければ、治療の必要はありません。
爪は放置すると、自然に両側が徐々に丸まってしまう性質があることが分かっています。歩行による適度な負荷がかからないことが原因になるので、ほとんど歩行しない方や寝たきりの方に多くみられます。
陥入爪は、爪の片側または両側の爪が内側に刺さってくいこみ、腫れて炎症を起こしている状態で細菌感染も合併することがあります。
主に足の第1趾(親指)にみられます。爪を深くまたは短く切りすぎたり、狭い靴を履いたり、爪の外傷、体重の増加などが原因になっています。
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当院の治療法(巻き爪の場合)
当院では、爪の湾曲を徐々に改善する専用の矯正具、巻き爪マイスター法を行っています。
超弾性合金ワイヤーを爪の白い部分に固定して、数か月かけて矯正していきます(自費)。
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当院の治療法(陥入爪の場合)
当院では、軽症な場合はテーピングを指導して経過をみます。
炎症による赤い不良肉芽がある場合は液体窒素を当ててできるだけ小さくします。
それでも軽快せず、炎症が強い場合は手術を行います(保険適応)。
手術は、患部の部分抜爪とフェノール法を同時に行うので不良肉芽も除去され、翌日から痛みもほとんどなく、再発もほとんどありません。
両側に陥入爪があり、同時に手術する場合は片側は自費となりますのでご了承ください。
円形脱毛症
円形脱毛症は、主に髪の毛が円形から類円形に抜ける病気です。頭の毛髪だけでなく、眉毛、まつ毛、ヒゲ、陰毛、体毛など身体のどの部位にも発症し、大きさや形、数は様々です。
原因は、自分の毛根組織に対する免疫機能の異常による自己免疫疾患といわれています。免疫機能の異常を起こす原因として、過労、ストレス、アトピーの素因、甲状腺機能異常、膠原病、妊娠や出産による女性ホルモンバランスの低下などがあります。
脱毛面積が小さくて数が1〜2個の場合は、回復しやすいのですが、脱毛面積が広範囲で重症になるにつれ、回復率も悪くなるので、早めの受診をおすすめします。
当院では、まず円形脱毛症を合併する疾患(アトピーの素因、甲状腺機能異常など)がないか採血検査を行います(保険適応)。検査結果により内科や精神科による診察が必要な場合は、他院へ紹介します。
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当院の治療法
養毛剤やステロイドの外用、免疫機能を高め、抗アレルギー効果と血流改善効果のある内服薬、SADBE外用液による局所免疫療法、プラセンタ注射などを行います。
肝斑
肝斑は、30〜50代の女性の顔面にできる左右対称性のシミです。特に頬骨部、前額部、鼻の下に左右対称に比較的はっきりした、均一でびまん性の茶褐色調のシミで、目の周りには無いのが特徴です。70〜80代以降からはほとんど軽快します。
肝斑は、両側性にできるシミである、雀卵班(ソバカス)や後天性真皮メラノサイトーシス(略:ADM)と区別がつきにくく、これらとは治療法も異なります。
肝斑にソバカスやADM、老斑などのシミがいくつか合併していることもあります。
原因として、顔の擦りすぎ(化粧や洗顔など)による皮膚のバリア機能の破壊が起こり、慢性の炎症が続き、表皮にメラニンが増加して色素が濃くなり肝斑となると考えられています。
皮下組織が少ない部分(頬骨部、前額部、鼻の下など)に過剰な摩擦が加わり続けることによりその部分の皮膚が薄くなり、更に紫外線による真皮のダメージが加わって起こります。最近ではパソコンのブルーライト(紫外線よりも波長が長く、皮膚の深部まで届くため)も原因となるという論文も出ています。
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当院での治療法
当院では、主にトラネキサム酸、ビタミンC、ハイチオールなどの内服薬を処方しています。ハイドロキノールの美白クリームもおすすめしています。
トラネキサム酸を長期間服用することになるので、事前に採血検査と副作用(吐き気、頭痛など)を確認します。
血栓症や肝機能障害のリスクを高めるので、脳梗塞や心筋梗塞、高脂血症などの既往のある方はおすすめできません。
顔を擦り過ぎないこと、外出時は必ず日焼け止めを塗ることのスキンケア指導を行っています。
ご希望される方には、少なくとも1か月以上、肝斑用の内服をしていただいてから光治療(フォトフェイシャルM22)も行います。肝斑を悪化させないように、肝斑用のモードを使用して真皮に修復可能な熱ダメージを与えて、紫外線でダメージを受けた細胞を新しい細胞に入れ替えてくすみを改善します。
肝斑以外に老斑などを合併している方が多いので、症状に合わせて様々な治療を行っていきます。
粉瘤(アテローマ)
粉瘤(ふんりゅう)は、皮膚の内側に袋状のものができ、その中に垢(角質)や皮脂が溜まってできる良性の腫瘍です。医学的には表皮嚢腫といいます。1個から数個のこともありますが、多発することもあります。毛穴の上方の部分が皮下に陥入して袋状の構造物ができ、その袋の内側の部分は皮膚表面と同じ構造をしているので、角化して垢や皮脂が溜まってきます(白くドロドロした臭いもの)。出口が塞がっているので、放っておくと少しずつ大きくなっていき、擦れて炎症を起こし赤く腫れることもよくあります。
通常は毛のある部分の皮膚に発症しますが、毛の生えない手のひらや足の裏に、外傷がきっかけとなり、ウイルスが関与してできるものなど、他にもいくつかの種類があります。なぜできるのか原因はまだわかっていません。
ほとんどのものは良性ですが、非常に経過が長く、サイズの大きいものや炎症を繰り返すものは、まれに悪性化することもあります。
他に似たような皮下の腫瘍で、生まれつきあるもの(まぶたや頭にできる皮様嚢腫や、耳の前にできる耳瘻孔や、首などにできる側頸嚢腫〜正中嚢腫など)や、外歯瘻(酷い虫歯からのもの)、毛巣洞(お尻の割れ目にできるもの)、石灰化上皮種(小児や学童の顔や腕にできるもの)、せつ(おでき:表皮ブドウ球菌による感染によるもの)などいくつかあります。治療は違ってきますので、まずは受診してください。
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当院での治療
当院では、炎症を起こして腫れている場合はまず、一部を切開して内容物を排膿します。抗生剤の内服と外用薬などで経過を診て、患部が落ち着いた頃(約2〜3か月後)に手術で皮下の袋ごと除去します。
袋が少しでも残っていると再発するので、すべて除去します。
炎症を起こしていない場合は、傷の長さが短くなるように、なるべくサイズが小さいうちに手術をします。
必要があれば、除去したものを病理組織検査に提出して確認します。
うおのめ・たこ
鶏眼(けいがん:うおのめ)は、通常は大人の足の裏で荷重がかかる部位に、硬い角質が増生してできたものです。三角錐状の芯になって皮膚の内側に食い込むので、圧迫や歩行により痛みを生じます。
何らかの理由で一定部位に繰り返し過剰な圧迫刺激が加わることが原因になります。
間違えやすいものとして、子供の足の裏にできるイボは、皮膚の中にめり込んでいることが多いので、小さなイボはうおのめと区別がつきにくいことがよくあります。
胼胝(べんち:たこ)は、手足などの皮膚の一部が慢性の刺激を受けて角質層が厚く硬く盛り上がる病気です。
うおのめは、通常足の裏にできますが、たこは足の裏以外、生活習慣や職業やその人の癖などにより身体のあちこちに(ペンだこ、座りだこなど)できます。
たこは、うおのめと違って痛みが無いことが多く、むしろ厚くなった角質のために感覚が鈍くなっていることもあります。
健康サンダルを日常、長時間履くことにより、足の裏に過度な負担をかけてしまい、角質が厚くなり広範囲なざらざらした、たこになり、水虫を疑って来院される方もいます。
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当院での治療
当院では、うおのめは楔状に食い込んだ角質をハサミなどを使って削りとります。
たこも同様に削りとります。どちらの処置も保険適応(2週間間隔で)となるので、軽快するまで間隔をあけて通院される方が多いです。
歩行や皮下の骨の異常、装具の荷重などによる原因が考えられる場合は、整形外科での診察や治療も必要となります。
たこに、赤みや痛みがある場合は、細菌感染を起こしている可能性が高い(糖尿病の方など)ので、抗生剤などの内服も行います。
時には、皮下の腫瘍(足底粉瘤)によって表面の角質が厚くなり、たこができている場合もあるので、その場合は原因となっている腫瘍を除去する手術を行います。
うおのめやたこを長期間放っておくと、足の裏にある身体のツボにも悪影響を及ぼして、体調を崩しやすくなる(気管支炎、肩こり、便秘など)ので、早めに、定期的に通院することをおすすめします。
酒さ(しゅさ)
酒さ(しゅさ)とは、顔の中心に近い部分、特に鼻や頬に赤みやほてりが強くなっていわゆる赤ら顔になり、ニキビのような毛穴のポツポツとした症状なども出る皮膚の病気です。
医学的に下記の4つに分類されています。
① 紅斑毛細血管拡張型:顔の中心(鼻、頬、眉間、顎)に赤みや毛細血管の拡張が見られるもの。ほてりやヒリヒリした刺激も伴うことが多い
② 丘疹・膿疱型:ニキビのような毛穴のポツポツとした赤みや黄色く膿むもの
③ 鼻瘤・瘤腫型:酒皶による長年の炎症により、鼻の皮膚が厚くなり、でこぼこして盛り上がっているもの
④ 眼型:眼も充血して刺激感などの眼症状が強いもの
原因はまだよくわかっていませんが、皮膚の毛細血管に働く神経の異常や、皮膚表面の免疫の異常、ニキビダニ(皮膚の常在菌の一つ)の異常な増殖が考えられています。重症なものほどニキビダニも比例して多いという報告もあります。
症状を悪化させる大きな要因は日光です。何度も日焼けを繰り返すことで皮膚の毛細血管が拡張し悪化します。
他には、外気の寒暖差、室外での激しい運動、熱いお風呂、過剰な飲酒、辛い食事などがあります。
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当院での治療法
当院では、ロゼックスゲル外用薬、テトラサイクリン系抗菌薬、漢方薬などと、日焼け止めの指導をしています。
毛細血管の拡張、赤みにはVビームレーザーが有効ですが、当院には機器がありませんので、ご了承ください。